働き方がわからない。

  高校卒業後に障害者雇用で就職した企業を退職しました。

 

眼のことが理由で退職したこと。教師を再び目指そうと思ったこと。

 

乱れる心

 

これらの現実や心情の変化を目の前に、心が乱れていきました。特に家族が出勤や登校したあと、自宅に一人でいると、黒いどんよりとしたものに浸食されるような感覚に襲われました。

 

「せっかく就職したのに退職してしまった・・・。私の辛抱が足りなかったのか。」

「携帯代金や年金など、どうやって支払おう。」

「無職でこれからどうすれば良いのか。」

「本当にこれから大学に行き、教員になれるのか。高額な学費をどうやって稼ごう」

「本来なら働いているはずなのに、自宅に居て何もしていない自分が許せない。」

「どんな仕事ならできるのかがわからない。教員だって務まるのか。自信がない・・・。」

 

学費を稼ぐためにバイトを探しました。しかし、普通免許を持っていないことや視力が低いことで業務内容がこなせない可能性があるという点に阻まれ、なかなかうまくいきませんでした。

働き方が分からない

 

「障害者ってどうやって仕事を見つけているの?バイトすら簡単に見つけられない。私は私の障害とどうやって付き合っていったら良いの・・・。障害をもっていなかったらこんな思いをしなくても済んだかもしれない。普通に働くことがどうしてできないの。働くことは嫌ではないのに。どう努力すれば・・・。」

 

どんどんマイナス思考になっていきました。

 

当時の自分にとって、人生で一番苦しく感じられました。挫折を味わいました。今まで見えにくいことで困難なことは、考えて努力すれば何とかなってきましたが、この時は目の前が真っ暗になりました。

一人になると、布団に潜り込んで泣いたり音楽を聴いて一点をひたすら見つめて過ごしたり、出口が見えませんでした。

 

 

****振り返って思うこと*****

もう、10年以上前のことですが、今でも思い出すと当時の記憶が鮮明に思い出されます。

「働きたいのに、どうやって働いたら良いのかわからない。」

「何もできないわけではない。自分に合った業務内容があれば働ける。」

正直、学生時代では味わったことのない絶望感でした。

私が今行っている活動も、こういう方の力になりたいのです。

仕事の内容が障害の特性と合っていれば、働くことができるのですから。

私も退職した職場では、自分が慣れている業務や目に負担がかからないものはこなせていました。

ただ、突発的な派遣業務や私のことを知らない人たちの中で急に働くときに不便を感じていました。

また、合理的な配慮があれば、特性と付き合って働いていくことができます。

 

ただただ、わからないから気が付いてあげられない企業。

どう声をあげて良いのか分からない当事者。

企業側と当事者の橋渡しをしたいです。