夢は叶えたら終わりではない。
21歳の春、視覚支援学校の教員になりました。
10年越しの夢が実現した瞬間のことは、今でも忘れられません。
夢が叶うと終わりではなく、教員としてのスタートラインに立ったということを実感しました。
仕事は「分からないことが分からない」状態が続きました。会議の内容も、協議事項について考えるというよりも、ひたすら聞くことしかできません。考える余裕はなく、目の前のことをこなすことで精一杯でした。
帰宅してから夕飯を作り、持ち帰りの仕事をして、お風呂に入って寝る毎日です。土日も仕事を全くしない日はありません。
一番の癒しは、生徒たちとの授業の時間でした。
もちろん、授業だって最初からスムーズに展開できたわけではありません。睡眠時間を削って考えた授業内容を一生懸命実践することで精一杯でした。
しかし、生徒たちと関わっている間は、寂しさや辛さ、疲れも吹っ飛んでいました。まるで、マイナスイオンを浴びているような感覚です。授業時間は50分ですが、体感としては15分くらいに感じます。授業が終わるとずっと笑顔で過ごしているためか、頬にじんわり痛みが残る日が珍しくありませんでした。
生徒たちの存在が、私の教師生活を彩ってくれました。
夢を叶えるまで、たくさんの苦労や努力、辛いこともありましたが、本当に教師という仕事に就けて良かったと心から思いました。
****振り返って思うこと****
夢を叶えると、更に夢を抱くことになります。
小学生のころから10年間抱き続けた夢を叶えたことは、私の人生にとっての柱になっています。
11年勤めた教員を辞めた今、新たな夢を抱いています。
「一人でも多くの人に、障害を正しく伝える」
これが、私の夢です。
そして、その先の夢は教壇にはもう居ませんが、
「障害が少しでも社会に正しく伝わり、教え子たちの生活の充実へと間接的にでも繋がって欲しい」。
私が教員になるときに得た経験。
叶えるために行動を起こさなくてはならない!
その行動を継続する!
仲間や応援してくれる人を大切にする!
そして、謙虚な気持ちを大切に、周囲から色々なことを吸収する!
一歩一歩、今は前に進むこと。
そしていつか、自分に頑張ったねって言ってあげたい。