盲学校(特別支援学校)で得たもの。

 

転校後は、クラスに同じ学年の子がいませんでした。全校在籍数がそもそも少ないので、仕方がありません。私が在籍していた時代は、幼稚部、小学部、中学部で約30人前後だったと記憶しています。

※視覚障害の教育機関の在籍数は大半が少人数で、私が転校した学校は特に少なかった

 

少人数のデメリットがありました。デメリットは、やはり友達が少ないことでした。ひとつ上の学年の子と2人か、下の学年の子たちと4人かのクラス編成でした。寂しいと感じたことは何度もありました。

しかし、少人数での学習は、私にとって学力向上の一つの要因になりました。

あらゆることに挑戦

盲学校で得たものといえば、あらゆることに挑戦できたことと、多くの経験です。

児童生徒会長、委員長、生徒会長、運動会のチームリーダーやアンカー、学校祭の劇の主役、各行事の運営や挨拶、弁論大会や英語暗唱大会の代表など、様々なことに挑戦することができました。

人前に出る経験を積み重ねることで、コミュニケーション能力の向上や人前で話すことに抵抗感がなくなりました。これらの経験は、卒業後も私の大きな力になりました。

 

中学2年生の頃、役割が多く、学校にいくのが嫌になった時期もあります。しかし、今振り返っても、得られたものの方が多く、これらの経験は私の宝物です。

教員になって少人数で過ごす生徒たちの気持ちに経験者として共感できたときに痛感しました。

自己肯定感

また、たくさんのことに挑戦し、自信もつきました。学年が上がると、見えにくいことで全くできないことや、うまくできないことが増えていきました。見えている方と比べてしまう気持ちも生まれます。そんな中で、支援を受けながら多くの経験を通して、自己肯定感を得られたのです。

 

特に印象に残っているものと言えば、陸上大会と弁論大会です。

北海道の盲学校は4校あります。その4校が1年に1度集まって、文化体育競技大会(陸上、点字、珠算、弁論)が行われます。※交流が目的です

陸上大会に向けて夏休みや放課後にコツコツと練習した経験から、スポーツの楽しさと努力することの喜びを学びました。

弁論大会は、自分の意見を文章に表現することの魅力と、大勢の人に考えを伝える素晴らしさを感じることができました。教員になってから弁論の指導を幾度もさせたいただいたので、その時に自分の経験を存分に活かすこともできました。

 

私の盲学校で得た経験は、教員になってから大いに役立ったのです。そのことを実感するたびに、天職だと心から思いました。

 

次回は、その弁論で主張した内容を載せようと思います。その内容は、私らしさにもかなり影響しています。