高校生活【後編】

閲覧、ありがとうございます。

※下記は、過去の内容です

 

見えにくいことで生活面だけではなく、学習面でも困難を感じました。

 

学習面の苦労1

板書を書き写す際、補助具を活用しても光の加減やチョークの筆圧の違いでどうしても見えない部分があったり、教科書の指示された所をすぐに探せなかったり(当時は高校の拡大教科書がなかったため)、周囲の状況が把握できなかったりなど、予想していなかった訳ではありませんが、そういった些細なことが重なり余裕がなくなっていきました。

 

学習面の苦労2

テストでは、拡大していただいても原版が小さいためか、地図や図、表は補助具なしでは読み取ることができません。

そういった問題は時間を要するため後回しにするか状況によっては解くことを諦めるしかなく、力を発揮できないこともありました。

 

****振り返って思うこと*****

テストは時間内に問題を解かなくてはなりません。読む速度が見え方の影響で遅いため、時間が足りません。

生徒にも教えてきましたが、長文問題の解き方や優先して取り組む問題の選択等、弱視の方にとっては大切なポイントとなります。

上記に書かれている内容は、問題を解く順番を変更したり配点の少ないものや見えにくさで困難を伴うものを解かないという一つの方法です。

また、視力が低いのであれば拡大すればよいという単純な話ではありません。

視野や視力、フォンや図の大きさ、補助具の有無によってポイント数や用紙の大きさが変わります。

見え方によっては、あえて縮小するケースもあります。

私が教員だったころは、眼疾や見え方に応じて個人別にテストを作成していました。※問題内容は一緒です

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生活面で苦労したこと3

体育では、バレーやバスケット、バドミントン、走り高跳びなど、見えにくいことでできない授業内容がありました。それを、一人で見学しているときの心細さも忘れられません

 

また、家庭科の調理や裁縫、音楽の楽譜を見て行う楽器演奏など、周囲の人たちと同じようにはできないときに、授業を止めて先生にどこまで申し出るべきか悩みました。

 

行事では、集合場所や整列の順番、各自で行動し集合するときなど、同じ格好をした人たちが入り乱れている中で誰に声をかけて情報を得るべきかわからない場面も多くありました。

 

 

 

 

生活面、学習面と共に、入学前の私には想像しきれないほどの困難を感じました。

 

私が、入学して1カ月で「高等盲学校に転入したい」と後悔したのは、見えにくいことで周囲より時間がかかってしまうことや一人ではできないことに対して、誰にどのように支援を求めていけば良いのかわからなかったからです。

そして、そういった出来事が蓄積され、心が苦しくなっていくと同時に、盲学校での日々を思い出しました。

 

一人で過ごす心細さと疲れがピークに達し、後悔の念を抱くようになったのです。

 

  そんな時に、私を救ってくれたのは・・・

 

※高校生活【追加編】へつづく